笑い療法のススメ

「笑いは百薬の長」「笑う門には福来る」という言葉があるように、笑うことは心身共に健康に過ごすためには不可欠です。
近年では笑いのもたらす精神的効果や身体的効果が次々と実証され、心理療法、老人ホームや病院等の医療機関において様々な方法で病気の予防や治癒の一環として取り入れられています。
笑うことで健康になれるのであれば、ぜひ生活に取り入れたいですよね。
それでは実際に笑いがもたらす効果とその取り入れ方について見てみましょう。

「笑い」のもたらす効果

①がんへの免疫力向上
大阪府立病院機構「大阪国際がんセンター」は漫才や落語による「笑い」によって、がん患者の免疫力向上のほか、緊張や疲労といった心身の状態も改善したことなどが確認されたと発表しました。
笑いががん患者に与える影響を調べる実証研究では、笑いの舞台を鑑賞した患者の1人は免疫細胞の一つである「NK細胞(ナチュラルキラー細胞)」の血中の割合が実験前の約1・3倍に増えたことが確認されたそうです。
鑑賞した患者全体でも免疫細胞の増加傾向がみられ、実施したアンケートでは緊張や抑うつ、疲労などの6項目とがんの痛みについても改善が認められました。
そこで免疫力向上の鍵となっているのが、自然免疫の主要因子として働くというNK細胞という免疫細胞です。
このNK細胞は、血液中に50億個も存在しており、主に腫瘍細胞やウィルス感染細胞を退治するために非常に重要なリンパ腫の一種です。
NK細胞の活性度は笑いによって高まり、逆にストレスによって低下することが実証され、活性化したNK細胞ががん細胞やウイルスなどの病気のもとを次々と攻撃することで免疫力が高まるというわけです。
また大声を出して笑うことで肺の機能が高まり、がんを誘発する活性酸素を体内から排除できるという効果もあるようです。
また笑う事で脳内ホルモンのひとつエンドルフィンが分泌され、これによりモルヒネの数倍の鎮静作用をもたらすといわれています。
 
②アレルギーの改善
笑いにはアトピーを含む各種アレルギーを改善させる効果があります。
アレルギーの原因は体内のIgE抗体による作用だと言われていますが、笑うことで このIgE抗体が減少することが突き止められているのです。
治療に「笑い」を取り入れたアトピー患者のグループは90%の患者が完治した反面、「笑い」を取り入れなかった患者のグループは10%しかアトピーが完治しなかったという報告もあります。
 
③心臓病や脳卒中など循環器疾患の予防
ポジティブな感情が心臓病に効果があるという可能性を示唆した論文も発表されています。
日本心臓財団によると、日本で8万8千人を12年間追跡調査し、「あなたは生活をエンジョイしていますか」という質問に対し、「していない」「している」「どちらともいえない」という回答によって心臓病罹患率、死亡率を調べた結果、「していない」と答えた人で高いことが分かったそうです。
またアメリカでは、20分ユーモラスなビデオを鑑賞した人と、ホラー映画を鑑賞した人とでは、動脈硬化を予防する血管内皮機能が前者で向上し、後者で低下したという報告があります。
私たちが日々生活の中で受けるストレスや不摂生によって過剰に発生した活性酵素は細胞を痛めつけ、細胞膜を構成している脂質を酸化させてしまいます。
その結果、血管が老化したり血管内で酸化した脂質が溜まって血液の流れを悪くし、動脈硬化など様々な病気を引き起こす原因となります。
しかし笑うことで活性酸素を減少させ、動脈硬化の防止に一役買うということが分かったのです。
 
④自律神経失調症の改善
自律神経には交感神経と副交感神経があり、両者のバランスが崩れると体調不良の原因となります。
交感神経とは通常働いている時や勉強をしている時など、緊張モードに入っている際に優位になる神経です。
副交感神経とはその逆で、睡眠をとる際やリラックスモードに入っている際に優位になる神経です。
精神的ストレスなどで交感神経が過剰に高まっているときに笑うことで、自律神経のスイッチが切り替わり、副交感神経が活発にはたらいて安らぎや安心感をもたらします。
また笑いは「ドーパミン」「ノルアドレナリン」と共に脳内で働く三大神経伝達物質のひとつ、「セロトニン」の分泌を活性化させます。
セロトニンとは幸福ホルモンとも呼ばれ、精神の安定を保つために重要な要素のひとつです。
結果自律神経のバランスが整い、自律神経失調症やうつ病のリスクを軽減させるのです。
 
⑤「海馬」の活性化で記憶力アップ
記憶を司る海馬はストレスにとても弱く、長時間ストレスを受けることで海馬の機能は低下することが分かっています。
そして逆に脳内ホルモンの1つであるβエンドルフィンが分泌されたり、快楽を司るA10神経が活性化すると、海馬における長期記憶が増強します。
また笑いによって脳内にアルファ波が増えると、脳がリラックスするほか、意志や理性をつかさどる大脳新皮質に流れる血液量が増加するため脳の働きが活発になります。
また脳をリラックスさせると、たまっていた心理的なストレスが軽減され、集中力が飛躍的に高まり、結果記憶力や思考力、創造力にいい影響をもたらすのです。
勉強をする時には精神的に追い込むのではなく、ジョークを取り入れながらリラックスした環境のほうが適しているという事です。
 
⑥血行促進
声を出して思いきり笑うと、深呼吸や腹式呼吸と同じような状態になり、体内に酸素がたくさん取り込まれるため、血のめぐりがよくなって新陳代謝も活発になります。
笑っているときは心拍数や血圧が上がり、呼吸が活発となって酸素の消費量も増えるのです。
また大笑いするとお腹や頬が痛くなるように、実際に腹筋、横隔膜、肋間筋、顔の表情筋を使って運動をしている様な状態になります。
笑う事で代謝が上がりカロリーも消費できるなら、毎日笑ってすごしたいですよね。
 
⑦良好な人間関係の構築
初対面の相手に笑顔で話しかけられるのとそうでないのでは印象がガラリと変わりますよね。
大きな笑いでなくても、微笑みや優しい眼差しは相手に安心感を与え、緊張をほぐす効果があります。
特に不安な場面や落ち込んだ時には、誰かの笑顔で気持ちが救われたりするものです。
相手と笑い合うことでお互いが受け入れているといったサインにもなり、そこから心を開いた信頼関係が構築されていくのです。
 

まとめ

アランは幸福論において「人は幸福だから笑うのではなく、むしろ笑うから幸福なのだ」、「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである」と言っています。
つまり幸せの種はあなたの中にあり、自らの意志によってのみ感じることができるのです。
辛い時こそ口角を上げて仲間と笑い合うことで、幸せな未来へ踏み出す事ができるのかもしれません。

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